七七日町裏通り

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最近の生活とヒュッゲという概念の話

最近は生活環境が変わったこともあり、余裕無いな~!という感じです(病んではいません。肉体はクソほど疲弊していますが)。大人って時間無いんだな……ということで「大人になるってかなしいことなの……」としみじみしております。

 

忙しいからこそ、常に念頭に置いている言葉があります。それが「ヒュッゲ(hygge)」です。これはデンマークに存在する概念だそうで、翻訳不可能な言葉といわれています。まあ私がデンマーク語を習っていた時にはおもくそ「心地よい」と訳していたんですが。

 

ヒュッゲとは何なのか、その概念の人気の火付け役でもあるマイク・ヴァイキング氏は、自身の著書の中でこのように述べています。

 

ヒュッゲは、何か存在する「もの」ではなく、その場の空気や経験を表します。

「人との温かいつながりをつくる方法」「心の安らぎ」「不安がないこと」もヒュッゲ、そして私のお気に入り、「キャンドルのあかりのそばでココアを飲む」こともヒュッゲ。

 どれもこれもヒュッゲなのです。

(「『ヒュッゲ 365日「シンプルな幸せ」のつくり方 』(2017)マイク・ヴァイキング 三笠書房」より引用)

 

要するに「自分が最もほっとできる状態」のことですね。究極の安全地帯でようやく胸をなでおろすことができる空間、心地の良い瞬間。それこそがヒュッゲ。

 

例えば私が一日のうちで一番「今ヒュッゲしてるわ~~~」と思うのはお茶の時間です。

こうやってね、簡素でもお菓子が無くても必ず毎日お茶の時間を作ってるんです。

一回だけ「仕事から帰って風呂入って夕飯の準備して食べてなんてやってたら、あっという間に寝る時間までのカウントダウンが始まるし、カフェインなんてNGなのでは……?」と思って、やめていたんですが3日で根を上げました。こころしんじゃった。

茶店に行くのも大好きです。家だとなんとなく「あれをやらなきゃ、これもやらなきゃ……」と一種の焦りみたいなのに襲われるんですけど、外にいるとどうあがいても今手元にあるものしか手に取れないし、何より喫茶店はそこそこのお値段なので(笑)少しでもゆっくりしていこう……となります。こういう時が一番精神落ち着いている気がします。

 

そして個人的に一番大事だと思っているのが「ヒュッゲなことと好きだけどヒュッゲではないことを明確に分ける」「そしてその二つに優劣は無い」だと思っています。

例えば、私は絵を描いていて、描いている間はめっちゃ楽し~~~~!!!と思っていますが、やはり「描きたいようにうまく書けないなあ」みたいなモヤリティを描くたびに感じているわけです。これは流石にヒュッゲでは無いでしょう。

だけど絵を描くのはやめない、だって楽しいし刺激になるし。刺激のない人生はくっそつまんないから。

こういうのってゲームでいう所のMPが近いのかもしれません(ボウケンシャーだからめっちゃTPって言いたい)。MPが切れていては技は使えない、だけどMPを使わないようにしていたら、ゲームとして面白いかわからないし、進めないよねって言う(一部の縛りプレイヤーは除く)。

 

とりあえず今は「やるべきこと」「ヒュッゲなこと「ヒュッゲじゃないけど好きなこと」の三つのバランスを考えながら生活することで、何とかうまくやっていっている気がします。

それにしても妙なもんだ。私がデンマークについてがっつり勉強していた時は、こういった形でデンマークが「幸せの国」「理想郷」と持て囃されていたことに、凄くモヤモヤしてたのに(実際は我々が思っている以上に色々な問題を抱えていること、17世紀のバチボコ好戦的なデンマークなので)、その概念をヒントに今はそれなりにやってんだから。やっぱり勉強はしておいた方が良いですね、何処で何が役に立つかわからないんだから。

 

これを読んでいるあなたのヒュッゲは何ですか?