七七日町裏通り

メインブログを冒険者に乗っ取られまして

幼蚕文庫さんの『わたしのうた』のこととか思春期の思い出とか

最高なのは試聴の頃からわかりきっていたのですが、本当に最高オブ最高だった……。

www.youtube.com

 

楽日事変

最初は少し大人しい目の曲かな?とタカをくくっていたところ、いきなり耳に飛び込むお洒落な歌謡曲

かや子さんの紡ぐ歌詞は品の良さが魅力だと感じているのですが、この歌の歌詞はお上品でありながら、凄く血気盛ん。まるで今まで静かで大人しかったお嬢様の反抗期……そんな感じ。まさか幼蚕文庫の曲で「差し違える」なんて単語を聞くとは……(最高)。哀しみではなく、強い気持ち。怒りや挑戦的な感情が凄く良かったです。

 

トロイメライ

今回は編曲をすべてオッカさんが担当していらっしゃるということで、この作曲&編曲コンビを昔から聴いていた私はもうめちゃめちゃ嬉しいって感じです。オッカさんの作る曲はやっぱり、mamyukkaのわちゃわちゃしているイメージが強いので、こういうピアノのしっとりしたナンバーは新鮮で大好きです。

時が経つにつれ失ってしまうものは増えていく一方でそのことが哀しいのですが、それならば自分の中に刻み付け、ずっと大切にしたいものです。

(すっごい私事なんですけど、この間デンマークの旧証券取引所という歴史的に重要な建物が焼け落ちまして……。そのことを今も引きずっていたので、この歌が色んな意味で沁みまくりました。失ってしまったものは取り戻せないけど、せめて忘れないで、大切だったものへの気持ちを守り続けていきたいです)

 

夏至

ずっと楽しみにしていたナンバー。賑やかなお祭りの描写が凄く綺麗。かや子さんの歌詞は言葉選びや描写が凄く綺麗で、言葉を聞いたり読んでいるだけなのに、情景だけでなく質感まで感じ取れて、本当に惚れ惚れしてしまいます。

夏至祭というと北欧のオタクなので、やっぱりスウェーデンのミッドサマー(ホラー映画じゃないよ!)を思い出してしまうんですけど、かや子さんが祭りを歌うと、もうそれはこの世界のどこかにある「幼蚕文庫」の世界の祭りになるんですよね……(『お隣はだあれ』もそんな感じで聴いてました)。

楽しいけど、ちょっと怖い夏至祭。そして最後の歌詞で心がぎゅっと私の心に何かを残して、颯爽と去っていく夏至祭。置いていかないで。

 

嘘吐き娘

漏れはまようらライブに行っているので、CDは勿論、生歌でも聴いたことあるんだぜ……と調子に乗っていたのですが、歌詞に一部変更があってひっくり返りました。どっひゃ~。

ライブで最初に聞いたときに「私が聴いても良いのだろうか……?」と思ってしまったことを覚えています。

胸が張り裂けるほどの悲痛な叫びと自己嫌悪、嘘で塗り固めた自我。誰しも心の中でうっすら自己嫌悪の感情は持っていると思うのですが、そんな感情から逃げ出したい、でも逃げ出せないと思ってしまって。だからこそ悲痛なこの歌がずきずきと心に刺さってしまうのです。

 

けだものは踊る

颯爽としたメロディに対して、歌い上げられる情景は哀愁。「けだもの」が一体誰なのか、わかってしまうところが心苦しくなります。シンフォニックで華やかでありながら、自己嫌悪、孤独、色々なものが混ざり合った物語はまさに最後を飾るのにふさわしい一曲。

個人的な所感になりますが、幼蚕文庫の曲は醜い感情や状況を歌っていても、それに美しさを感じるなあと思っていたので、この歌で今までずっと言葉にできなかったその感覚が形になったような気がします。好きだ……。

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

個人的な思い出(自分語りです)

中学に上がった頃から理想と現実のギャップ、世界と自分の相容れなさに絶望し始めました。幼蚕文庫の楽曲と出会ったのはそんな時でした。

幼蚕文庫の曲は多くの曲が、「これを私が聴いても良いのだろうか……?」と思ってしまうほどに、苦しみを歌っていて。人の心に巣食う、張り裂けそうなほどの悲痛な叫びをかや子さんが艶やかな歌詞にして、愛らしい声(昔からずっと世界で一番大好きな声です)で歌い上げる。そんな楽曲たちにずっと助けられていました。

(勿論、まつげうさぎのようなきれいな世界を歌った歌や、さえもだのようなタイアップ系の歌もみんな大好きです)

 

今は昔に比べて世界との付き合いもうまくいくようになりましたが、不器用な人間であることは変わっていないので、落ち込むことも多々あります。そんなときはやっぱり幼蚕文庫の曲が聴きたくなるのです。今も昔も、ずっとずっと支えられ続けています。

 

あと、書くかどうかちょっと悩んだんですけど、初めての同人イベント、初めてのライブ、高校の部活動選び(演劇部)、美術の授業の題材、喫茶店巡りの趣味(このブログに中学の私はえらく憧れていた)、喫茶店のメニュー選びに食い込むクリームソーダ……みたいな初めての体験や、今も続いている趣味なんかもだいぶ影響受けています。色々な人生、知らなかった「大好き」をいっぱい教えてくれて有難う御座います

(本当に憧れです……諸々の人生経験をして「いや、私はかや子さんみたいにはなれないな……」と悟り、己の道を進むようになりましたが(笑)今も変わらず大好きです。推しです)

 

同人活動というのはあくまでも趣味で、創作側も私のような消費側も立場は対等です。そして趣味故、私達消費側に無理に合わせる必要もありません。そんな中でサブスクや通販で環境を整えて頂けたり、そして何よりも活動を続けて頂けていることにただただ感謝するばかりです。

 

本当に有難う御座います。ずっと大好きです。