七七日町裏通り

メインブログを冒険者に乗っ取られまして

5月に触れた作品

5月はそれなりに色々な作品に触れた気がするのですが、記録でもつけておかないと実感が湧かないので、この場で色々振り返りをしたいと思います。さらっと終盤シーンの話もしているの、でこれから触れる予定のある作品があったら気を付けてください。

 

『天才の思考』鈴木敏夫

books.bunshun.jp

オンラインサロンとか開いているどこぞの馬の骨ともわからない誰かが書いてそうな題名ですがこれは鈴木敏夫から見た宮崎駿高畑勲についての本です。なのでこれだけ挑戦的なタイトルでも「あんたほどの人が言うなら……」ってなります。

面白かったのが、高畑勲は完全芸術家気質の人なのに対して、宮崎駿はエンターテイメントを作る人側だったということです。会社経営や自分に求められるもの、そして自分よりフリーダムな高畑勲のことを結構気にしてて、偏屈なアニメ監督というイメージがだいぶ変わりました。

この本、去年『君たちはどう生きるか』を見て、宮崎駿が一体何を考えてあの映画を作ったんだろうと思って買ったものです(で、積んでた)。宮崎駿の印象が変わった今、あの映画に出てきた台詞もちょこちょこ「こういう解釈もあるのでは……?」ってなるところが出てきてきまして。また観たいな。ジブリ、サブスクやらんのか。

『一汁一菜という提案』土井善晴

www.shinchosha.co.jp

料理研究家の土井先生の本。読んでいる本の種類が完全に20代独身では無い。忙しい現代人がどう食事、和食と向き合っていくべきなのか、先生の意見が述べられています。君はこの本を参考にしても良いし、今の自分を貫いても良いだろう(唐突な世界樹要素)。

最近この一汁一菜(白米に対し、味噌汁と簡単な漬物など)を夕飯に適用しているんですけど、前よりもしんどくなくなりました。日本食の有難み……とかではなく、白米を炊いてみそ汁に野菜とかぶっこめば良いので、スーパーで「何を買おう……」とうろうろすることが無くなったところです。料理で一番しんどいのって何を食べるか考えることだったんですね……ストレスがかなり減りました。

今まで夕食を考えるのが大変だったので、毎週金曜日は外食にしたりしてたんですけど、最近は週末も直帰することが多くなりました(そっちの方が楽なので)。節約にもなってハッピー!ってなりました。ですが今度からは醤油も味噌も減塩のものにしようと思います。日本食、圧倒的塩分。

花の詩女 ゴティックメード

gothicmade.com

円盤化されていないロボットアニメ。見てみたいけど一々ドリパス確認したりしないからな〜と思ってたら、リツイートで再上映の情報が回ってきたので「おっし!!」と思って、早速席を確保して見に行きました。あと大学時代の先輩も巻き添えにしました(スタァライトを××回見ているタイプの人だから誘ったら来てくれそうと思ってぇ……)。

尺としては60分くらいで、ストーリーとかもかなりコンパクトにまとまっていました(謎も多分に残して終わる)。その中で主役二人の歩み寄りというのが丁寧に描かれていたと思いました。あととにかくゴティックメードが美しい!カイゼリンマジで芸術!!あの複雑な造形をCGとか使わず描いたの、本当に凄いな〜。

見た直後は結構物足りなさみたいなの感じていたんですが、後々面白さとかインスピレーション的なのが襲ってきて、何だこれ〜!ってなりました(で、何故か久々に一次創作熱が上がったりした)。また劇場でやってたら見に行きたいな。あとファイブスター物語も読みたいっすね!(電子書籍版がないということで、どうすっかなーって感じになってます。東京のオタクは場所がないんじゃ)

 

『ハズビンホテル』

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海外アニメ。ルシファーとリリスの娘チャーリーが、地獄の罪人達を救済するために罪人を更生させるためのホテル「ハズビンホテル」を開業して頑張る……という内容。下ネタブラックジョーク満載ですが、テーマは多分「大切な人を守る」で、ストーリー根本は優しさだった気がします。登場人物はみんなお下品だけど優しいです。

ミュージカルの曲が好き、性癖に刺さるキャラがいるとか色々言いたいことがあるんですけど、一番思ったのが、キャラのパワーバランスがとても良いなあと。作中でアラスターという悪魔がかなり強キャラ感出してるんですけど、そんな彼でもルシファーやアダム(人類最初の男)みたいな、聖書に載っているようなレベルの人たちには叶わない。

作中だとアダムはみみっちぃしルシファーも年頃の娘に反抗されているお茶目な父親として書かれていて、そのままだとあまり威厳とか強さを感じないんだけど、散々得体の知れなささと強さを持ったアラスターより強い描写がされることで、キャラも変えず格も落とさなかったところはまじですげー!!ってなりました。

ゴジラ×コング』

youtu.be

ゴジラシリーズは今全作ちまちま見ているところなので、後で全部まとめて振り返ろうと思っていたんですが、ゴジコンは映画館で見たやつだしまあええやろの精神で取り扱います。

ハリウッドが作るゴジラシリーズの第四作目(1998はモンスターバースと繋がっていないので……)。ゴジラとコングが地下世界で大暴れ!?な内容で、-1.0が国際的に評価される中、ゴジラとコングが謎の並走をするポスターが公開され、色んな意味で話題が絶えませんでした。

で、内容ですが、マジでバカにならないといけない映画でした。レインボーチュロス必要だったかもしれん。正気に戻った瞬間「俺は何故サルの人間劇を見ているんだ……」となります。でもまあバカになれば良いんですね、この映画は。ゴジラもコングもスカーキングもシーモちゃんもモスラネキもみんなで大暴れ!!楽し〜!!!って感じで見たら楽しかったです。

 

私、ゴジラシリーズのこと、きらら作品だと思って見ている節があるので、やっぱり怪獣が出てくれば出てくるほど嬉しいし、クソ程暴れまわってくれたらバチボコに嬉しいんですね。シリーズまだ全部見れてないんですけど、日本のゴジラが初代路線で突き進んでいる今、他の怪獣達を出せるのはアメリカ側だけな気がするので、こう、何とかなって〜!(東宝怪獣の出演料はとても高いらしいので、ハリウッドですらそんな一杯出せないらしい)。

 

『ゲゲゲの謎』

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上映期間は色々と慌ただしく観に行けなかったので、アマプラ配信でようやく見ることが出来ました。あの時期、敷島さんに水木に杉元と戦争帰りの男たちが大量発生していたのは、何だったんだ……(ちなみに私の好きなタイプの男)。

因習村、怨霊みたいなことになる女性とかなりオーソドックスなホラー作品でしたが、キャッチーなキャラデザや濃い登場人物達のお陰で新鮮に楽しむことが出来ました。とにかく細かい描写が多くて、一回だけじゃ情報を追いきれないところもまた魅力的でした(何度もそう見るものではないと思うけど)。作品のテーマ?なのか一貫して「未来を奪われた子供」に焦点を当てていて、そんな可哀想な人間の子供たちと、過去の幽霊族たちから未来につなげられた鬼太郎の対比がきれいでした。

視聴直後は結構ドライな感想というか、今はこんなの人気なんだな〜って感じだったんですけど、長田と乙米様の関係がド性癖なことに気がつき、若干狂いました(笑)

以下、二人についての怪文書(反転)

初めて見た時、乙米様はともかく長田はやったことに対して払うツケ、少なくね?とも思ったんです。だけど人の考察を読んだり、改めて見たりして、長田にとって一番つらいことは乙米様があんな風に死ぬことだったんだなあという結論に辿り着きました。長田、一貫して龍賀の女性の務めの話しているとき嫌そうな顔してるんですよね。まじで乙米様のへの思い純愛なんだなあ。

長田にとっての一番の幸せが乙米様が幸せになること、乙米様の幸せがおじい様の悲願を叶えること(自分の人生を肯定されること)だとすると、あの二人にもいろんなドラマがあるんだなあと思ったりしました。最後にきちんと報いを受けたからこそ好きになれた二人ですが、それはそれとして幸せそうにしている様子も見たいですね。

 

地下室の手記ドストエフスキー

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人生初ドストエフスキー。半年くらい前から読んではいたんですけど、しんどすぎて放置しまして。流石にそろそろ最後まで読みたい……と思って頑張りました。

別に鬱展開があるわけじゃないんですよ。ただ主人公の膨らみ切った自尊心とプライドと、それでいて圧倒的にそのプライドに追いついていない人間性が見ていて、凄くしんどくて。登場人物が恥ずかしい思いをしたり、恥をかいたりしてるところでしんどくなるタイプの人はだいぶ辛いと思います。俺もそのタイプなので。

で、読むのに時間もかかっちゃったし、でも一つ一つの言葉があまりにも私の精神をぐちゃぐちゃにかき乱していくので、理解できたかと言われると実はそんなに……だったりします。とはいえ、読み返すのもしんどいぞ……。

ここまで読んでいてしんどくなる本を書けるの、さすが文豪って感じがする。この本をもう一度読む気は本当に起きないんですが(でも読みたい)、ドスト先生の書く人間のことは無茶苦茶気になるので、積読がもう少し解消されたらほかの本も読んでみようと思います。……全部、分厚くね??

ウマ娘プリティーダービー 新時代の扉』

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ゲームはやっていないのですが(ソシャゲをやらない宗教なので)、アニメは一通り見ています。ウマ娘の映像作品は脚本や演出が丁寧で、ウマ娘も競馬もにわかでも楽しめるし新しいことを知れるのでとても満足感が高いです。擬人化コンテンツの優等生って感じ。今回も素晴らしい作品でした。

今回は主役達の曇らせがえぐかった気がします。主人公の俺っ子ウマ娘ジャングルポケットも曇る、ミステリアスマッドサイエンティストウマ娘アグネスタキオンも曇る、みんな曇る。でもウマ娘は基本根底が優しさなので(ゲームとか荒れているのはよく見るけど一旦そこは置いておきます)、安心して視聴することができます。

競馬に関しても知識は皆無ですが、ジャングルポケットという馬は凄く主人公っぽいなあと。個人的に3期のキタちゃん(キタサンブラック)があまりにも強すぎて、作劇に若干単調さを感じてしまったので、最後には勝利を手にしながらもアグネスタキオンという圧倒的強者に苦い思いをさせられた彼(?)を主人公枠に添えるのはとても良いなあと思いました。主人公の選出、とても大事。

 

『荒野のコトブキ飛行隊』

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数年前に視聴はしていたのですが、諸般の事情で日本の戦闘機に興味を持ったので改めて見ることに(あとdアニメの配信が5月いっぱいで終了だった)。前回に比べて関連知識が多少身についていたので、戦闘機萌えしながら見れたのは嬉しかったです。ほとんど悪役側だったんだけどさ!!(笑)でも疾風も紫電改富嶽も格好良かった!あとやっぱ震電ってギルメン作りて~~

熱狂的にハマることは無かったんですけど、このアニメのお陰で「主役は零戦じゃなくても良い」と言う発想に至れるようになったの、めちゃくちゃでかいです。

にわかだと特にそうだと思うんですけど、日本の戦闘機と言えばやっぱり零戦、圧倒的花形、というか零戦以外知らんわ~って。主人公って基本「まさに!!」って言う奴を使うじゃないですか。だからこそ、「零戦=主人公」という思い込みが強くて(言うて戦闘機を題材にした作品、全然知らないんですけど)。だけど、この作品は主人公機が隼というミリも知らなかった戦闘機だったのが衝撃的だったのでした。(今回のラスボス機の震電が、ゴジマイだと主人公機になっているところがまたエモーショナルだなあ)

主人公機、人によって全然違うと思うので、そこら辺のことを有識者に色々聞いてみたいものです。私の主人公機は勿論疾風(はやて)!!